はじめに
塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、夏型塊根植物「ブルセラ ファガロイデス(Bursera fagaroides)」の育て方を、当店での管理方法としてまとめました。
置き場所・水やりの頻度・冬の休眠・剪定や植え替えまで、実際に育てている経験をもとにご紹介します。これから育ててみたい方の参考になればうれしいです。
基本情報
ブルセラ ファガロイデスは、メキシコからアメリカ南西部の乾燥地帯に自生するカンラン科ブルセラ属の植物です。同じカンラン科には、乳香(フランキンセンス)で知られるボスウェリアや、没薬(ミルラ)のコミフォラといった香木の仲間がいます。
成長タイプは夏型です。暖かい時期に葉を茂らせてよく伸び、気温が下がると落葉して休眠します。塊根植物の中では成長が早い方で、枝がどんどん動くため、育てている実感を得やすい品種です。
葉や枝を軽くこすると、柑橘に似た爽やかな香りがするのも本種の面白さです。香木の仲間であることを、育てているとふとした瞬間に思い出させてくれます。
同じように幹の質感を楽しむ品種としては「パキコルムス ディスカラーの育て方」もあわせてどうぞ。
置き場
まずは「どんなところに置いているの?」という点です。
当店では、主に植物育成LEDライトを使用した屋内管理を行っています。使用している植物育成LEDライトは「BRIM PANEL A 45W」で、植物とライトの距離はおよそ約20cmです。
このライトをこの距離で使用していて葉焼けをしたことは今のところありません。光が足りないと枝や葉が間延びして、せっかくの樹形が崩れやすくなるので、生育期はしっかり光を当ててあげてください。
さらに、「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターを使用して弱めの風を24時間送風しています。風通しを確保することで蒸れを防ぎ、間延びしにくい締まった株に育ちやすくなります。
水やり
次に水やりの頻度です。
生育期(春から秋にかけての暖かい時期)は、土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりします。葉を茂らせている間はよく水を吸うので、真夏は乾き具合をこまめに確認しています。
水が足りないと葉を落として自分を守ろうとします。落葉しても生育期であれば水やりを続けることでまた葉を展開してくれますが、株を消耗させないよう、生育期は乾いたらしっかり与えるリズムを保つのがおすすめです。
気温が下がって落葉が進んだら休眠のサインなので、少しずつ間隔をあけて控えめに切り替えていきます。
当店では、奥側に配置している植物にもしっかり水やりできるように、先の長いアイリスオーヤマのじょうろを使っています。
冬の管理と休眠
冬は葉を落として休眠します。当店では屋内管理で、最低10℃前後を目安に、寒さに当てすぎない環境で越冬させています。落葉した姿は枯れているように見えますが、枝を軽く触って張りがあれば問題ありません。
休眠中は水やりをぐっと控え、風通しの良い場所で春を待ちます。暖かくなって枝先から新芽が動き出したら、水やりを再開して通常の管理に戻していきます。
剪定・植え替え・用土
枝が伸びやすい品種なので、生育期のうちに剪定して樹形を整えることができます。伸びすぎた枝を切るとその下から枝分かれし、こんもりとした樹形をつくりやすくなります。自分の好みの形に仕立てられるのは、成長の早いこの品種ならではの楽しみです。
植え替えは、生育期に入る春から初夏が適期です。用土は水はけを最優先に、塊根植物・多肉植物用の排水性の高い配合を使うと安心です。根を整理した場合は、切り口を乾かしてから植え付けてください。
特徴
ブルセラ ファガロイデスの一番の見どころは、薄く剥がれていく樹皮です。めくれた皮の下からは緑色の幹があらわれ、成長とともに質感が移り変わっていきます。小さな株でも古木のような趣があり、盆栽的な鑑賞の仕方が似合います。
葉は細かい小葉が並ぶ姿で、幹の重厚さとのコントラストが軽やかです。生育期と休眠期で見せる表情が大きく変わるのも、育てていて飽きない理由だと思います。
流通量はまだ多くありませんが、丈夫で動きが早く、はじめての「灌木系」塊根植物としても向いています。
最後に
ブルセラ ファガロイデスの育て方を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。
・樹形を自分で仕立てていく楽しみを味わいたい方
・幹肌や樹皮の質感が好きな方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)
そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。
塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。
konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。
そして、konaeの植物をぜひ一度見てみてください。
みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。


