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パキポディウムの育て方|水やり・LED・徒長対策

目次

はじめに

塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、パキポディウム属の育て方を、当店での管理方法としてまとめました。

置き場所とLEDライトの距離・水やりの頻度・葉水・徒長対策・害虫対策・冬の管理まで、実際に実生株を育てている経験をもとにご紹介します。

パキポディウムとは

パキポディウムは、マダガスカルとアフリカ南部の乾燥地帯に自生するキョウチクトウ科の塊根植物です。ずんぐりと太った幹や塊根に水分を蓄え、トゲをまとった姿から「砂漠の宝石」とも呼ばれています。

生育のリズムは夏型です。春から秋にかけて葉を広げて成長し、気温が下がる秋の終わりには葉を落として休眠に入ります。冬に葉が落ちるのは枯れたわけではなく、正常なサイクルです。

同じパキポディウムでも、現地から輸入された現地球と、種から育てられた実生株とでは管理のしやすさがかなり違います。現地球は環境の変化に敏感で根の状態も読みにくいのに対し、実生株は最初からその環境で根を張っているぶん、水やりや置き場所の失敗に強い傾向があります。

konaeでお届けしているのはすべて実生の小苗です。この記事も、実生株を屋内で育てている前提での管理方法としてお読みください。

置き場(LEDライトとの距離)

まずは「どんなところに置いているの?」という点です。

当店では、主に植物育成LEDライトを使用した屋内管理を行っています。パキポディウムは光をたっぷり必要とする植物なので、光量が足りないと茎が間延びして徒長してしまいます。

使用している植物育成LEDライトは「BRIM PANEL A 45W」で、植物とライトの距離はおよそ20cmです。この距離で1年を通して管理していますが、葉焼けを起こしたことも、徒長したこともありません。

点灯時間は1日およそ12時間です。タイマーで固定してしまうと管理がぐっと楽になります。

さらに、「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターを使用して弱めの風を24時間送風しています。風は徒長の予防になるだけでなく、鉢の中が蒸れて根が傷むのを防ぎ、ハダニやカイガラムシの発生も抑えてくれます。光と同じくらい風は重要だと考えています。

屋外で管理する場合は、真夏の直射日光だけ注意してください。急に日向へ出すと葉焼けを起こすので、置き場所を変えるときは数日かけて少しずつ光に慣らしてあげましょう。

水やり

次に水やりの頻度です。

パキポディウムは、現地球だと水のやり過ぎに気をつける必要がありますが、実生においてはあまり気にしなくても問題ありません。生育期にしっかり葉を広げている株であれば、水のやり過ぎによる根腐れはあまり気にしなくて良さそうです。ただし気温が下がる休眠期は話が別で、低温と過湿が重なると根を傷めます。季節で切り替えてください。

生育期(春〜秋)

葉もシャキッと出ていて元気そうな場合は、土の表面が乾いてから2〜3日後に、鉢底から水が出るまでたっぷり水やりします。小苗のうちは鉢が小さく乾きも早いので、真夏はほぼ毎日のようなペースになることもあります。

乾燥にも強く、塊根が萎んでシワが入ってしまってからでも水やりは遅くはありません。水切れが原因の萎みであればすぐに水を吸って元通りになります。「乾かし気味で管理する」よりも、しっかり乾かして、しっかり与えるとイメージしていただくとちょうど良いと思います。

休眠期(冬)

葉を落として休眠に入ったら、水やりの間隔を大きくあけます。詳しくは後述の「冬の管理」をご覧ください。

当店では、奥側に配置している植物にもしっかり水やりできるように、先の長いアイリスオーヤマのじょうろを使っています。

葉水

当店では、生育期のあいだ1日1〜2回、霧吹きで葉全体に葉水をしています。

目的は二つあります。一つはハダニやカイガラムシの予防です。屋内でLEDライトを当てていると空気が乾きやすく、乾燥した環境はハダニがいちばん増えやすい条件になります。葉の裏までしっかり濡らしておくと、発生をかなり抑えられます。

もう一つは、葉をきれいに保つことです。屋内管理では葉の表面にホコリが積もりやすく、そのままにしておくと光を受ける効率が落ちてしまいます。葉水はそのホコリを流す役目もしています。

かける時間帯は、ライトが点いている日中で構いません。ただし気温が下がる夜に葉が濡れたままになると蒸れの原因になるので、消灯の直前は避けています。当店ではサーキュレーターを24時間回しているので、葉水をしてもすぐに乾いてくれます。風を送っていない環境では、葉水の回数は1日1回にとどめておくのが無難です。

徒長させないために

徒長とは、光が足りずに茎だけがひょろひょろと間延びしてしまう状態のことです。パキポディウムは光をたっぷり必要とする植物なので、屋内管理でいちばん起こりやすいトラブルがこれです。

徒長を防ぐ

防ぐ側は単純で、光量・距離・風の3つです。当店ではBRIM PANEL A 45Wを約20cmの距離で1日12時間当て、サーキュレーターで弱い風を24時間送っています。この条件で1年通して徒長したことはありません。窓辺だけで育てている場合は、冬に日照が短くなる時期からじわじわ間延びしていくので、LEDライトの導入をおすすめします。

徒長してしまったら

先にお伝えしておくと、一度間延びしてしまった部分は元の太さには戻りません。ここを縮めようとするのではなく、「これから伸びる部分を締める」方向に切り替えるのが現実的です。

やることは、ライトを近づける(20cm前後まで)、点灯時間を12時間確保する、風を当てる、の3点です。これだけで次に伸びてくる節の間隔がはっきり詰まってきます。数か月かけて上が締まってくると、間延びした部分も全体のバランスの中で目立たなくなっていきます。

胴切りで仕立て直すという方法もありますが、小苗のうちは体力を大きく削る作業になるので、当店では小苗にはおすすめしていません。まずは環境を直して、そのまま育て続けるのがいちばん失敗が少ないです。

害虫対策(ハダニ・カイガラムシ)

屋内でLEDライト管理をしていると、いちばん出会いやすいのがハダニとカイガラムシです。

ハダニは1mmにも満たない小さな虫で、葉の裏に付きます。気づくきっかけは葉の色で、緑がかすれたように白っぽく抜けてきたらほぼハダニです。ひどくなると細かいクモの巣のような糸が張ります。カイガラムシは白い綿のような塊に見えることが多く、葉の付け根やトゲの間など、動きにくい隙間に潜んでいます。

予防は、前の項目で書いた葉水と送風がそのまま効きます。ハダニは乾燥した無風の環境で爆発的に増えるので、葉裏まで濡らして風を通しておくだけで発生率がかなり下がります。

それでも発生してしまったら、まずは物理的に減らします。ハダニはシャワーや霧吹きの水流で葉裏を洗い流し、カイガラムシは綿棒や柔らかい歯ブラシでこすり落とします。数が多いときや繰り返し出るときは、市販の園芸用殺虫剤を使ってください。どちらも「一度で全滅させる」より、1週間おきに数回繰り返して数を減らしていくほうが確実です。

新しく植物をお迎えしたときは、しばらく他の株から離して様子を見ると、広げてしまう事故を防げます。

冬の管理

パキポディウムは夏型なので、気温が下がってくると葉を落として休眠に入ります。

はじめて冬を迎える方がいちばん驚くのがこの落葉ですが、枯れたわけではありません。葉が全部落ちても、幹や塊根がしっかり硬さを保っていれば元気な証拠です。春になればまた新しい芽が動き出します。

当店では、冬も屋内でLEDライトの下に置いたまま管理しています。気をつけているのは温度で、最低10℃を下回らないようにしています。窓辺は日中暖かくても夜間にぐっと冷え込むので、冬のあいだだけ窓から少し離すか、部屋の中央側に移すと安全です。

水やりは、葉を落として休眠に入ったら間隔を大きくあけます。目安は月に1回、鉢底から流れ出さない程度のごく少量です。完全に断水してしまうと小苗は根が傷んでしまうので、「忘れた頃に少しだけ」くらいのイメージで大丈夫です。低温と過湿が重なるのが冬のいちばんの失敗なので、寒い日は思い切って水やりを飛ばしてください。

春に新しい芽が動き始めたら、そこから通常の水やりに戻していきます。

よくあるトラブル

塊根がブヨブヨになった

押すと柔らかくへこむ、指が沈むような感触になっている場合は、根腐れや幹の腐りが進んでいるサインです。多くは低温と過湿が重なったときに起きます。冬に暖かい季節と同じペースで水をやってしまった、寒い日に水やりをした、というのが典型的なきっかけです。

柔らかくなった部分はもう戻りません。まずは水やりを止めて、暖かく風の通る場所で乾かします。腐りが塊根の一部にとどまっているうちなら、そこで止まって固まることもあります。

塊根にシワが寄った

こちらは水切れのサインで、ブヨブヨとは正反対です。硬さがあってシワが寄っているだけなら心配いりません。鉢底から出るまでたっぷり水をやれば、数日で吸い上げて元に戻ります。

見分け方はシンプルで、押してみて硬ければ水切れ(水をやる)、柔らかければ腐り(水を止める)です。ここを取り違えると症状を悪化させてしまうので、迷ったらまず触って確かめてください。

葉が落ちてきた

秋から冬にかけての落葉は休眠に入る正常なサイクルです。一方、生育期のまっただ中で急に葉を落とす場合は、置き場所を大きく変えた、寒い風に当たった、根が傷んでいる、のどれかを疑います。環境を変えた直後であれば、しばらく動かさずに様子を見てください。

品種ごとの育て方

ここまでは属全体に共通する管理方法をご紹介しました。品種ごとの細かい違いについては、それぞれの記事にまとめています。

パキポディウム グラキリスの育て方 — パキポディウムの中でもいちばん人気の品種です。丸く育てるための考え方や、実生株ならではの管理のポイントをまとめています。

パキポディウム ウィンゾリーの育て方 — 濃い赤色の花を咲かせる品種です。パキポディウムの花といえば黄色や白のイメージが強いので、赤い花が咲くと聞いて驚かれる方も多いです。開花させるための条件にも触れています。

最後に

パキポディウムの育て方を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。

・小さくて可愛い塊根植物をお探しの方
・植物の成長を感じるのが好きな方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)

そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。

塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。

konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。

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みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。

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