はじめに
塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、夏型塊根植物「ユーフォルビア ゴルゴニス(Euphorbia gorgonis)」の育て方を、当店での管理方法としてまとめました。
中心の太い株元から、細い枝を放射状に伸ばしていく「メデューサ型」と呼ばれるユーフォルビアです。置き場所・水やりの頻度・徒長させないコツ・冬の管理まで、実際に育てている経験をもとにご紹介します。ユーフォルビアならではの注意点として、白い樹液の扱いにも触れています。これから育ててみたい方の参考になればうれしいです。
基本情報
ユーフォルビア ゴルゴニスは、南アフリカの東ケープ州に自生するトウダイグサ科ユーフォルビア属の植物です。和名では「金輪際(きんりんざい)」と呼ばれています。
種小名の「gorgonis(ゴルゴニス)」は、ギリシャ神話で髪が蛇になっている怪物ゴルゴン(メデューサ)に由来します。中心の短く太い株元から、細長い枝が何本も放射状に伸びる姿が、まさにその名のとおりです。同じような姿をつくるユーフォルビアはいくつかあり、まとめて「メデューサ型」と呼ばれています。
成長タイプは夏型です。暖かい時期に枝を伸ばし、気温が下がると動きを止めます。塊根植物の中でも成長がとくにゆっくりな部類で、一年でぐっと大きくなるタイプではありません。そのぶん、じっくり付き合う楽しみのある品種です。
同じユーフォルビア属では「ユーフォルビア ギラウミニアナの育て方」もあわせてどうぞ。同じ属でも姿がまったく違うので、比べてみると面白いはずです。
置き場
まずは「どんなところに置いているの?」という点です。
当店では、主に植物育成LEDライトを使用した屋内管理を行っています。使用している植物育成LEDライトは「BRIM PANEL A 45W」で、植物とライトの距離はおよそ20cmです。
このライトをこの距離で使用していて葉焼けをしたことは今のところありません。
ゴルゴニスは光の量がそのまま姿に出る品種です。光が足りないと枝が細く間延びして上に伸び、放射状の締まった形が崩れてしまいます。いちど徒長した枝は元には戻らないので、光はけちらずにしっかり当てるのが結果的にいちばんの近道です。枝と枝の間隔が空いてきたり、枝先だけが妙に細くなってきたら光量不足を疑ってください。
さらに、「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターを使用して弱めの風を24時間送風しています。枝が放射状に密集して株元まわりの空気がこもりやすいので、風通しの確保は根腐れ対策としても効いています。
水やり
次に水やりの頻度です。
生育期(春から秋にかけての暖かい時期)は、土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりします。ゴルゴニスは塊根植物の中でも水を欲しがらない方で、成長がゆっくりなぶん水の減りもゆるやかです。他の植物と同じ感覚で与えていると、いつまでも土が乾かない状態になりがちなので注意してください。
過湿でいちばん怖いのが株元からの腐りです。中心の太い部分が水を抱えたまま蒸れると、そこから一気に傷みます。「乾いてから、たっぷり」を守り、鉢の中までしっかり乾く時間をつくってあげてください。
気温が下がって成長が止まったら、少しずつ間隔をあけて控えめに切り替えていきます。
当店では、奥側に配置している植物にもしっかり水やりできるように、先の長いアイリスオーヤマのじょうろを使っています。枝が放射状に広がっていて上から水をかけにくいので、注ぎ口が長いと株元だけを狙って水を入れられて助かっています。
白い樹液の扱い
ユーフォルビアを育てるうえで、必ず知っておいていただきたいのが白い樹液のことです。
枝が折れたり傷ついたりすると、そこから乳白色の樹液がにじみ出てきます。この樹液には強い刺激性があり、肌に付くとかぶれることがあります。とくに目に入ると危険なので、扱うときは十分に注意してください。
植え替えなどで枝に触れる作業をするときは、手袋をするのが安心です。付いてしまったらすぐに水でよく洗い流し、洗う前に目や口をこすらないようにしてください。小さなお子さんやペットが触れられない場所で管理するのが安全です。
ゴルゴニスは枝が細く、密に生えているので、動かすときに折ってしまいやすい形をしています。鉢を持つときは枝ではなく鉢を持つ、棚に出し入れするときは周りに引っかけない、という基本を守るだけでも樹液に触れる機会はぐっと減ります。
冬の管理
気温が下がると成長が止まります。落葉して地上部が無くなるタイプではないので、姿はほとんど変わりませんが、水をほとんど吸わなくなります。
当店では屋内管理で、最低10℃前後を目安に、寒さに当てすぎない環境で越冬させています。休眠中は水やりをぐっと控えめにし、風通しの良い場所に置いています。寒い時期に水が残っていると株元から一気に傷むので、「寒いときは乾かし気味」を徹底してください。
枝にしわが寄って少し痩せて見えることがありますが、この時期は水を吸っていないだけなので慌てなくて大丈夫です。株元を軽く触って硬さがあれば問題ありません。逆に、ぶよぶよとやわらかくなっていたら低温と過湿が重なって傷んでいるサインです。
暖かくなって枝先が動き出したら、水やりを再開して通常の管理に戻していきます。
植え替え・用土
植え替えは、生育期に入る春から初夏が適期です。成長がゆっくりな品種なので、頻繁に植え替える必要はありません。鉢の中が根でいっぱいになってきたら、というくらいの間隔で十分です。
用土は水はけを最優先に、塊根植物・多肉植物用の排水性の高い配合を使うと安心です。根を整理した場合は、切り口を乾かしてから植え付けてください。
植え付けるときは、株元を土に埋めすぎないようにしています。中心の太い部分が土に埋まっていると、そこが蒸れて腐りの原因になります。放射状に広がる枝の付け根が見える高さで植えると、姿もきれいに見えて一石二鳥です。
特徴
ゴルゴニスの見どころは、なんといっても放射状に広がる枝がつくる幾何学的な姿です。中心から均等に枝が伸びて、上から見るときれいな円を描きます。この整った形は、光をしっかり当てて締めて育てた株ほど美しく出ます。
一本一本の枝には、いぼ状の突起が規則正しく並んでいます。近づいて見ると細かい造形が詰まっていて、離れて見る全体の形と、寄って見るディテールの両方が楽しめるのがこの品種の面白さです。
生育期には枝先に小さな花を咲かせます。派手さはありませんが、地味な色合いが株姿によく似合っていて、咲いているのを見つけると嬉しくなります。
成長は本当にゆっくりで、一年で見違えるほど大きくなる品種ではありません。ただそのぶん、徒長させずに育てた形がそのまま残っていきます。数年かけて枝が一本ずつ増え、円が少しずつ大きくなっていく。その静かな変化を追いかけるのが、この品種を育てる一番の楽しみだと思います。
最後に
ユーフォルビア ゴルゴニスの育て方を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。
・小さくて可愛い塊根植物をお探しの方
・植物の成長を感じるのが好きな方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)
そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。
塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。
konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。
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みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。

