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アデニウム ドーセットホーンの特徴と育て方|実生の専門店

目次

はじめに

塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、夏型塊根植物「アデニウム ドーセットホーン(Adenium obesum ‘Dorset Horn’)」の育て方を、当店での管理方法としてまとめました。

くるくると波打つ「獅子葉」が魅力の品種です。置き場所・水やりの頻度・冬の休眠・剪定や植え替えまで、実際に育てている経験をもとにご紹介します。アデニウムならではの注意点として、樹液の扱いや、屋内管理で気をつけたいハダニ対策にも触れています。これから育ててみたい方の参考になればうれしいです。

基本情報

アデニウムは、東アフリカからアラビア半島にかけての乾燥地帯に自生するキョウチクトウ科アデニウム属の植物です。ぷっくりと膨らんだ株元から枝を伸ばし、その先に鮮やかな花を咲かせる姿から「砂漠のバラ」とも呼ばれています。

同じキョウチクトウ科には、グラキリスやウィンゾリーでおなじみのパキポディウム属がいます。塊根を太らせながら枝を伸ばすという育ち方が似ているので、パキポディウムを育てたことがある方なら管理の感覚をつかみやすいはずです。あわせて「パキポディウム グラキリスの育て方」もどうぞ。

成長タイプは夏型です。暖かい時期にぐんぐん枝を伸ばし、気温が下がると葉を落として休眠します。塊根植物の中では成長が早く、動きがわかりやすいのが魅力です。

「ドーセットホーン」の一番の特徴は、くるくると波打つ葉です。この縮れた葉は「獅子葉(ししば)」と呼ばれ、平たい葉を展開する一般的なアデニウムとは見た目がまったく違います。一枚ごとに反り方や巻き方が違うので、同じ株の中でも表情がにぎやかです。

八重咲きの花を咲かせる品種としても知られていますが、開花までには年数がかかります。小さな株のうちから楽しめるのは獅子葉のほうなので、まずは葉の造形を味わう品種として迎えていただくのがおすすめです。

同じアデニウム属では「アデニウム ソコトラナムの育て方」もあわせてどうぞ。ソコトラナムは同じ属でもぐっと迫力のある株姿に育つ品種で、比べてみると面白いはずです。

置き場

まずは「どんなところに置いているの?」という点です。

当店では、主に植物育成LEDライトを使用した屋内管理を行っています。使用している植物育成LEDライトは「BRIM PANEL A 45W」で、植物とライトの距離はおよそ約20cmです。
このライトをこの距離で使用していて葉焼けをしたことは今のところありません。アデニウムは自生地でも強い日射を受けて育つ植物なので、生育期の光はしっかり確保してあげてください。光が足りないと枝が細く間延びし、株元の締まりも悪くなります。

さらに、「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターを使用して弱めの風を24時間送風しています。アデニウムは株元がふっくらしていて過湿に弱いので、風通しの確保は根腐れ対策としても効いています。

水やり

次に水やりの頻度です。

生育期(春から秋にかけての暖かい時期)は、土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりします。アデニウムは塊根植物の中では水をよく吸う方で、葉を茂らせている間はぐんぐん成長します。真夏は乾き具合をこまめに確認して、しっかり与えるリズムを保っています。

ただし「乾いてから」は必ず守ってください。乾く前に足してしまうと株元が常に湿った状態になり、根腐れの原因になります。水を好む植物ではありますが、常に湿っているのが好きなわけではない、という感覚です。

気温が下がって落葉が進んだら休眠のサインなので、少しずつ間隔をあけて控えめに切り替えていきます。

当店では、奥側に配置している植物にもしっかり水やりできるように、先の長いアイリスオーヤマのじょうろを使っています。

ハダニ対策と葉水

屋内で管理していると、ハダニの被害に遭うことがあります。アデニウムは葉をよく茂らせる品種なので、塊根植物の中でも狙われやすい部類です。

ハダニは高温で乾燥した環境を好み、主に葉の裏に付きます。気づかないうちに数が増え、葉の表面に白くカスリ状の斑点が出たり、全体の色が抜けて艶がなくなってきたら発生を疑ってください。ドーセットホーンは葉が波打って重なり合うので、その隙間に潜まれると見つけにくいのが厄介なところです。

予防としていちばん手軽なのが葉水(はみず)です。生育期は霧吹きで、葉の裏側を狙って水をかけてあげてください。ハダニは水に弱いので、定期的に葉水をしておくだけで発生をかなり抑えられます。波打った葉の内側にもしっかり届くよう、角度を変えて吹きかけるのがコツです。

葉水は日中の暖かい時間帯に行い、夜まで葉が濡れたままにならないようにしています。当店ではサーキュレーターで24時間送風しているので、葉水のあとも比較的早く乾きます。風通しの確保そのものがハダニの予防にもなるので、送風とセットで考えるのがおすすめです。

すでに発生してしまった場合は、シャワーで葉裏を洗い流したうえで、必要に応じて薬剤を使います。数が増えてからでは手間がかかるので、普段の葉水で寄せつけないのがいちばん楽です。

冬の管理と休眠

冬は葉を落として休眠します。アデニウムは塊根植物の中でも寒さに弱い方なので、越冬の温度管理がいちばんの山場です。当店では屋内管理で、最低10℃前後を目安に、寒さに当てすぎない環境で越冬させています。

落葉した姿は枯れているように見えますが、株元を軽く触って張りがあれば問題ありません。逆に、株元がぶよぶよと柔らかくなっていたら、低温と過湿が重なって傷んでいるサインです。

休眠中は水やりをぐっと控え、風通しの良い場所で春を待ちます。寒い時期に水が残っていると一気に傷むので、「寒いときは乾かし気味」を徹底してください。暖かくなって枝先から新芽が動き出したら、水やりを再開して通常の管理に戻していきます。

剪定・植え替え・用土

枝が伸びやすい品種なので、生育期のうちに剪定して樹形を整えることができます。伸びすぎた枝を切るとその下から枝分かれし、こんもりとした樹形をつくりやすくなります。成長が早いぶん、仕立てた結果がその年のうちに見えてくるのが楽しいところです。

ここでひとつ注意点があります。アデニウムはキョウチクトウ科の植物で、切り口から出る白い樹液には毒性があります。剪定するときは樹液が肌につかないように気をつけて、触れてしまったらすぐに水で洗い流してください。目や口に入らないよう扱い、小さなお子さんやペットが口にできない場所で管理するのが安心です。

植え替えは、生育期に入る春から初夏が適期です。用土は水はけを最優先に、塊根植物・多肉植物用の排水性の高い配合を使うと安心です。根を整理した場合は、切り口を乾かしてから植え付けてください。

特徴

ドーセットホーンの見どころは、なんといっても獅子葉です。一枚一枚の葉が大きく波打ち、縁がくるりと巻き上がります。厚みのある濃い緑の葉が光を受けて艶やかに照るので、乾いた質感の株元とのコントラストがとても効きます。

この葉の造形は、花が咲いていない時期こそ主役になります。塊根植物は花を待つ期間が長いものですが、ドーセットホーンは葉そのものが観賞対象なので、生育期のあいだずっと見飽きません。新しい葉が展開するたびに巻き方が違うのも面白いところです。

そしてもうひとつの見どころが、ふっくらと太っていく株元です。生育期にしっかり光と水を与えていると、枝が伸びるだけでなく株元も年々ボリュームを増していきます。この太り方を追いかけられるのが、塊根植物としてアデニウムを育てる一番の楽しみだと思います。

成長が早い品種なので、その変化を実感しやすいのもうれしいところです。「去年よりも確かに太った」という手応えが毎年返ってくるので、長く付き合うほど愛着がわいてきます。

成長が早く、光と水と温度に素直に応えてくれるので、塊根植物のはじめの一鉢としても向いています。冬の寒さにだけ気をつけてあげれば、丈夫に育ってくれる品種です。

最後に

アデニウム ドーセットホーンの育て方を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。

・くるくると波打つ「獅子葉」の造形に惹かれた方
・成長が早く、動きのわかる塊根植物を育てたい方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)

そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。

塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。

konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。

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そして、konaeの植物をぜひ一度見てみてください。


みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。

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