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ユーフォルビア オベサ×鉄甲丸(オベ鉄)の育て方

目次

はじめに

塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、夏型ユーフォルビア「オベサ×鉄甲丸(Euphorbia obesa × bupleurifolia)」の育て方を、当店での管理方法としてまとめました。

「オベ鉄(オベてつ)」の通称でも知られる交配種で、オベサの丸いボディと、鉄甲丸の松かさのような幹肌という、両親のいいところが一株に同居しています。置き場所・水やりの頻度・日本の夏をどう乗り切るか・冬の落葉と休眠まで、実際に育てている経験をもとにご紹介します。これから育ててみたい方の参考になればうれしいです。

基本情報

オベサ×鉄甲丸は、その名の通りユーフォルビア オベサ(Euphorbia obesa)鉄甲丸(Euphorbia bupleurifolia)を掛け合わせた交配種です。ユーフォルビアは雌雄異株で、株が一つだけでは種ができません。そのぶん種類どうしの交配が盛んに行われていて、オベ鉄はその中でも人気の高い組み合わせです。

片親のオベサは南アフリカ・ケープ州のグレートカルー盆地に自生する品種です。幼いうちはきれいな球体で、育つにつれて縦に伸びて円柱形になっていきます。

もう片方の鉄甲丸は、同じく南アフリカのケープ州からクワズールナタール州にかけてのサバンナ地帯が原産です。幹の表面に葉の落ちた跡がぼこぼこと積み重なり、松ぼっくりのような独特の肌をつくります。成長はとても遅く、最大でも直径7〜8cm、高さ20cm程度にとどまります。

成長タイプは夏型です。冬になると葉をすべて落として休眠に入り、5月ごろから新しい葉が動き出します。葉が出て、落ちるという季節のリズムがはっきり見えるのが、オベ鉄を育てる楽しさのひとつです。オベサ単体は葉がほとんど目立たないので、この「葉を楽しめる」点は鉄甲丸から受け継いだ性質といえます。

同じユーフォルビア属の塊根植物として、当店では「ユーフォルビア スザンナエマルニエラエ」や「ユーフォルビア ギラウミニアナ」も扱っています。管理の感覚は共通する部分が多いので、あわせてどうぞ。

置き場

まずは「どんなところに置いているの?」という点です。

当店では、主に植物育成LEDライトを使用した屋内管理を行っています。使用している植物育成LEDライトは「BRIM PANEL A 45W」で、植物とライトの距離はおよそ20cmです。このライトをこの距離で使用していて葉焼けをしたことは今のところありません。

オベ鉄は明るい場所を好むけれど、強い直射日光は苦手です。とくにオベサ譲りのつるりとした肌は日焼けしやすく、真夏の直射に当てると表面が焼けて跡が残ってしまいます。焼けた跡は元に戻らないので、屋外で管理する場合は夏場の遮光を必ず入れてください。屋内のLED管理であれば、距離を取りつつしっかり光を当てる形で問題ありません。

さらに、「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターを使用して弱めの風を24時間送風しています。とくにオベ鉄は片親の鉄甲丸が日本の夏の多湿をかなり苦手にしているので、風を通して蒸れを逃がす環境づくりが管理の要になります。

水やり

次に水やりの頻度です。

生育期(葉が動いている春から秋にかけて)は、土がしっかり乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりします。葉を展開している時期はよく水を吸うので、乾いたらしっかり、のメリハリをつけてください。

気をつけたいのが真夏です。鉄甲丸の血が入っているぶん高温多湿に弱く、蒸れると一気に傷みます。真夏はやや乾かし気味に切り替えて、風通しをいつも以上に意識してください。「暑いから水をたっぷり」ではなく「暑いときこそ控えめに」が、この品種を無事に夏越しさせるコツです。

秋になって葉が黄色くなり落ち始めたら、休眠のサインです。水やりを徐々に減らしていきます。ただし冬もまったくの断水にはしません。当店では休眠中も週に1度ほど、鉢底から流れ出ない程度のごく少量の水を与えて、細い根が枯れきってしまわないようにしています。春の立ち上がりが目に見えて違ってきます。

当店では、奥側に配置している植物にもしっかり水やりできるように、先の長いアイリスオーヤマのじょうろを使っています。

冬の管理と樹液の注意点

冬は落葉して休眠します。葉がすべて落ちると枯れてしまったように見えますが、これは正常な姿です。慌てて水を与えると根腐れの原因になるので、乾かし気味を守って春を待ってください。5月ごろになると幹の先端から新しい葉が動き出します。

親の鉄甲丸は耐寒性がそれほど強くありません。当店では屋内管理で、最低10℃前後を目安に、寒さに当てすぎない環境で越冬させています。

もうひとつ、ユーフォルビア共通の注意点があります。株を傷つけると白い樹液が出ますが、この樹液には毒性があり、肌に触れるとかぶれることがあります。植え替えのときは樹液に触れないよう気をつけて、ついてしまったらすぐに水で洗い流してください。小さなお子さんやペットが口にできない場所で管理するのが安心です。

植え替えは生育期に入る春から初夏が適期です。用土は水はけを最優先に、塊根植物・多肉植物用の排水性の高い配合を使うと安心です。蒸れに弱い品種なので、通常より乾きやすい配合に振っておくくらいがちょうどよく育ちます。

特徴

オベ鉄の一番の見どころは、両親の形質がどう出るかが株ごとに違うことです。交配種なので、丸みの強い個体もあれば、鉄甲丸寄りに縦へ伸びて松かさ肌が際立つ個体もあります。同じ名前で並んでいても一株ずつ表情が違うので、選ぶ楽しさがあります。

幹の表面には、鉄甲丸から受け継いだ葉痕の積み重なりが現れます。葉が落ちたあとが幹にぼこぼこと刻まれ、年を重ねるほど松ぼっくりのような質感が深まっていきます。オベサのつるりとした肌との中間で、独特の風合いになります。

生育期には、幹の頭頂部から細い葉を放射状に広げます。この葉があるかないかで印象が大きく変わるので、葉のある夏姿と、落葉した冬姿の二つを一株で楽しめるのがオベ鉄の面白さです。

成長はゆっくりです。オベサも鉄甲丸も成長が遅い品種なので、その子であるオベ鉄もじっくり育ちます。急がずに、毎年の葉の展開を楽しみながら付き合っていく品種です。

最後に

ユーフォルビア オベサ×鉄甲丸の育て方を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。

・小さくて可愛い塊根植物をお探しの方
・植物の成長を感じるのが好きな方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)

そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。

塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。

konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。

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みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。

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