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ユーフォルビア トゥレアレンシスの特徴と育て方

目次

はじめに

塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、夏型塊根植物「ユーフォルビア トゥレアレンシス(Euphorbia tulearensis)」の育て方を、当店での管理方法としてまとめました。

波打つフリルのような葉と、細い枝が密に茂る姿が魅力の、マダガスカル原産の小型ユーフォルビアです。置き場所・水やりの頻度・真夏の蒸れ対策・冬の管理まで、実際に育てている経験をもとにご紹介します。自生地では絶滅が心配されている希少種でもあるので、その点にも触れています。これから育ててみたい方の参考になればうれしいです。

基本情報

ユーフォルビア トゥレアレンシスは、マダガスカル南西部に自生するトウダイグサ科ユーフォルビア属の塊根植物です。種小名の「tulearensis(トゥレアレンシス)」は、自生地に近い港町トゥリアラ(Toliara/旧称テュレアール)に由来しています。

自生しているのは海岸線沿いの石灰岩質の岩場や、乾燥林の灌木の木陰です。強い日射しが直接当たる場所というより、岩の隙間や他の低木の足元といった「半分守られた場所」で育っているのがポイントで、この環境が管理のヒントになります。

大きな特徴はとにかく小さいまま完成することです。古株になっても塊根の直径は5cm前後にしかならず、株全体でも20〜30cmほどの低木にとどまります。塊根から短い枝を密に伸ばし、その枝には非常に細いトゲが生えます。葉は肉厚で、縁が波打つフリルのような形をしているのが最大の見どころです。

成長タイプは夏型です。暖かい時期に葉を広げて成長し、気温が下がると葉を落として休眠します。同じマダガスカル原産の夏型ユーフォルビアとして、当店では「ユーフォルビア キリンドリフォリア」や「ユーフォルビア ギラウミニアナ」も扱っています。管理の感覚は共通する部分が多いので、あわせてどうぞ。

なお、トゥレアレンシスは自生地の減少によりIUCNレッドリストで近絶滅種(CR)に指定されています。当店でお出ししているのはすべて種から育てた実生株です。自生地の株を掘り上げたものではないので、安心して育てていただけます。

置き場

まずは「どんなところに置いているの?」という点です。

当店では、主に植物育成LEDライトを使用した屋内管理を行っています。使用している植物育成LEDライトは「BRIM PANEL A 45W」で、植物とライトの距離はおよそ20cmです。このライトをこの距離で使用していて葉焼けをしたことは今のところありません。

トゥレアレンシスは明るさは必要だけれど、直射の強光は得意ではないタイプです。自生地でも岩陰や灌木の足元に生えているので、真夏の屋外に出す場合は遮光をかけて、葉が焼けないようにしてあげてください。屋内のLED管理であれば、距離を取りつつしっかり光を当てる形で問題ありません。光が足りないと枝が間延びして、密に茂る本来の株姿が崩れてしまいます。

さらに、「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターを使用して弱めの風を24時間送風しています。枝が密集して茂る品種なので、株元と枝の間に空気が流れることが蒸れ対策として何より大事です。

水やり

次に水やりの頻度です。

生育期(春から秋にかけての暖かい時期)は、土がしっかり乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりします。塊根に水を蓄えるうえ成長もゆっくりなので、水はやや控えめを意識するのがコツです。

気をつけたいのが真夏です。日本の夏は自生地よりも湿度が高く、トゥレアレンシスにとっては蒸れやすい季節になります。真夏はやや乾かし気味に切り替えて、風通しをいつも以上に確保してください。「暑いから水をたっぷり」ではなく「暑いときこそ控えめに」が、この品種を無事に夏越しさせるコツです。

秋から冬は休眠に入るので、断水気味の管理に切り替えます。ただし完全に断水しきらないのがポイントです。細い根が枯れてしまうと春の立ち上がりが鈍るので、当店では暖かく晴れた日の午前中に、ごく少量の水をさっと与えています。

当店では、奥側に配置している植物にもしっかり水やりできるように、先の長いアイリスオーヤマのじょうろを使っています。

冬の管理と樹液の注意点

冬は休眠期です。マダガスカル南西部の乾燥地帯が原産なので、寒さは得意ではありません。当店では屋内管理で、最低10℃前後を目安に、寒さに当てすぎない環境で越冬させています。休眠中は乾かし気味を守り、暖かくなって新しい葉が動き出したら水やりを再開してください。

もうひとつ、ユーフォルビア共通の注意点があります。枝や葉を傷つけると白い樹液が出ますが、この樹液には毒性があり、肌に触れるとかぶれることがあります。植え替えや枝の整理をするときは樹液に触れないよう気をつけて、ついてしまったらすぐに水で洗い流してください。小さなお子さんやペットが口にできない場所で管理するのが安心です。

また、細いながらトゲがあるので、株を持つときは枝ではなく鉢を持つようにしてください。植え替えは生育期に入る春から初夏が適期です。用土は水はけを最優先に、塊根植物・多肉植物用の排水性の高い配合を使うと安心です。自生地が石灰岩質なので、軽石や日向土を多めに配合した、より乾きやすい用土との相性が良い品種です。

特徴

トゥレアレンシスの見どころは、なんといっても縁が波打つ肉厚の葉です。ユーフォルビアの葉というと細長い形を思い浮かべる方が多いと思いますが、この品種はフリルのように縁がうねり、光を受けると独特の陰影が出ます。小さな株でも見応えがあるのは、この葉の造形によるところが大きいです。

もうひとつが密に茂る細枝と塊根のバランスです。塊根は5cm前後までしか太らないかわりに、そこから短い枝が何本も立ち上がり、細かいトゲをまとって茂ります。塊根の存在感で見せる品種というより、株全体で小さな灌木の景色をつくるタイプで、小さな鉢に自然の一場面を切り取ったような佇まいになります。

成長はとてもゆっくりです。数年かけてじわじわと枝を増やしていくので、去年の写真と見比べて初めて成長に気づく、というような育ち方をします。急がずに付き合える方に向いた品種です。

小型のまま完成し、置き場所を取らないので、限られたスペースでコレクションしたい方にもおすすめです。ユーフォルビアの2鉢目・3鉢目として、少し変わった葉の形を楽しみたい方にもよく選ばれています。

最後に

ユーフォルビア トゥレアレンシスの育て方を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。

・小さくて可愛い塊根植物をお探しの方
・植物の成長を感じるのが好きな方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)

そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。

塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。

konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。

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みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。

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