はじめに
塊根植物 小苗専門店 konaeの佐藤です。この記事では、塊根植物につくハダニの予防と駆除を、当店での管理方法としてまとめました。
屋内でLEDライトを使って塊根植物を育てていると、まず出会う害虫がハダニです。この記事は屋内LED栽培を前提に、予防・見つけたときの対処・食べられた葉の扱いまでをご紹介します。
結論から書くと、当店では24時間のサーキュレーターと毎日の葉水で、ハダニはほぼ抑えられています。品種ごとに細かく変えていることはなく、この2つだけで予防はだいぶ済みます。
屋内LED栽培はハダニに好条件がそろう
ハダニは0.5mmほどの小さな生き物で、葉の裏について汁を吸います。高温で乾燥した、風の動かない場所を好みます。
屋内のLED栽培は、その条件がそろいやすい環境です。理由は3つあります。
- 雨が降らないので、葉についた個体が洗い流されない
- 空気が動かないので、株の周りに乾いた空気が滞留する
- 屋外にいる天敵(カブリダニなど)がいない
つまりハダニが増えやすいのは管理が下手だからではなく、屋内LED栽培という方式そのものに含まれた弱点です。だから対策も、薬より先に環境を作り変えるほうが効きます。
予防の芯は「24時間サーキュレーター」と「毎日の葉水」
当店の予防はこの2つです。どちらも品種を問わず同じで、これでだいぶ予防できることは実証済みです。
24時間サーキュレーターで、風を止めない
「Keynice KN-618」という首振りのサーキュレーターで、弱めの風を24時間送っています。強い風である必要はなく、株の間の空気が止まらないことが大事です。
風を止めないだけで、ハダニの定着はかなり防げます。蒸れによる根腐れの予防にもなるので、屋内LED栽培では最初に入れておきたい機材です。
毎日の葉水で「人工の雨」を降らせる
ハダニは水に弱いので、霧吹きで葉の裏側を狙って毎日水をかけます。屋外なら雨が流してくれる分を、人の手で代わりにやるイメージです。
葉水は日中の暖かい時間帯に行い、夜まで葉が濡れたままにならないようにしてください。水やりのついでに葉の裏を見る習慣にもなるので、早期発見にもつながります。
なお、この2つを続けていると、カイガラムシも最近はまったく見なくなりました。風の通りにくい隙間に貼りつく虫なので、24時間の送風が効いているのだと思います。ハダニ対策のつもりで始めた予防が、そのまま他の害虫にも効いています。
それでもやられるのは「葉が茂った株」
葉水をしていても、たまにやられる株があります。共通しているのは葉が多くて茂っている株です。
葉が重なっていると、霧吹きの水が奥まで届きません。風も同じで、茂った内側は空気が動きにくくなります。つまり茂った株の内側だけ、予防が効いていない状態が生まれます。
よく茂る株は、葉水のときに鉢を回して向きを変え、内側や下の方の葉裏にも水が当たるようにしてください。全体にざっとかけて終わりにすると、いちばん狙われる場所が毎回抜けてしまいます。
見つけたら、まず水で洗い流す
被害はまず葉の色に出ます。葉の表面に白っぽいカスリ状の細かい斑点が出たり、緑が抜けて艶がなくなってきたら、葉の裏を確認してください。目を凝らすと小さな点が動いていたり、ひどくなると細かいクモの巣のような糸が張られていることもあります。
見つけたときにやることは2つだけです。
1つ目、まず水で洗い流します。予防と同じ葉水ですが、量を増やしてシャワーで葉の裏を丁寧に流します。ハダニは水に弱いので、物理的に落とすのがいちばん確実です。薬剤より先にこれをやります。
2つ目、洗い流したあとにベニカナチュラルスプレーを散布します。当店ではハダニの出やすい時期には、予防としても2週間に1回ほど散布しています。
食べられた葉はどうする? 基本はそのままでよい
白くなってしまった葉は元に戻りません。ただ、基本はそのままにしておいて大丈夫です。
理由は単純で、本当に機能しなくなった葉は植物が自分で落とすからです。まだ落ちていないということは、その葉はまだ光合成をしています。人が判断して切らなければいけない場面は、そう多くありません。
そのうえで、見た目が気になるようであれば剪定してかまいません。当店では、次の品種は剪定しています。葉を出すのが早く、切ってもすぐ新しい葉が上がってくる品種です。
手で簡単にもぎれます。根と塊根が健康であれば、またすぐに新しい葉が出てきます。
逆に、葉を出すのが遅い品種で、数少ない葉を切ってしまうと光合成量が落ちて幹や根の成長が鈍ります。迷ったら切らないのが安全です。
「ベニカ」ならどれでも効くわけではない
薬剤選びでいちばん混乱しやすいところです。「ベニカ」は製品名ではなくシリーズ名で、中身の違う製品が10種類近くあります。ハダニに適用のあるものと、ないものが混ざっています。
そもそもの理由は、ハダニが昆虫ではないことです。ハダニはクモの仲間(ダニ類)なので、昆虫向けに作られた殺虫剤には適用がないものが少なくありません。「殺虫剤なのに効かない」のではなく、はじめから対象が違うわけです。
ですので薬剤を選ぶときは、パッケージの適用害虫にハダニ(またはハダニ類)と書かれているかを必ず確認してください。書かれていなければ、その薬はハダニには使えません。土に混ぜる浸透移行性の粒剤も、適用害虫を見るとハダニが入っていないものがあります。
当店が使っているベニカナチュラルスプレーは、天然由来の3成分のうち植物油(調合油)がハダニの成虫と卵に効くタイプです(メーカー表記)。神経に作用するのではなく物理的に効くので、抵抗性がつきにくいのも、屋内で繰り返し使ううえで扱いやすい点です。
最後に
塊根植物のハダニ対策を「当店での管理方法」としてお伝えさせていただきました。
個体、季節、環境、状況によって管理方法は変わってくるとは思いますが、一つの例としてお役に立てれば幸いです。
・小さくて可愛い塊根植物をお探しの方
・植物の成長を感じるのが好きな方
・屋内LEDライトで管理をしている方(または導入しようと思っている方)
そんな方にはkonaeの植物がおすすめです。
塊根植物の魅力に取り憑かれ、成長がゆっくりな塊根植物の成長を実感した時のあの喜びを、一人でも多くの方に共有したくて2023年春に開業しました。
konaeってどんなお店?と気になってくださった方は、こちらの記事もよければご覧ください。
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みなさんの塊根植物ライフが楽しいものでありますように願っております。

